鳥が逃げちゃった!こんな時どうする?

普段は気をつけているけど、窓を開けているのを忘れてうっかり放鳥してしまったり、放鳥中に訪問者などがあり、扉を開けた拍子など、予期せずインコなどの飼い鳥が外に出ていってしまい、迷子になってしまう事もあるようです。

そんな時、鳥は以外にも、飼い主さんよりもパニックになっている事もあるのです。
このため飼い主さんは、できるだけ冷静に、一方で素早く行動する事で、飛んで行った鳥さんをいち早く保護してあげられる可能性を上げることができます。

そもそも何故逃げてしまったの?

鳥は好奇心が強い子がいる一方で、非常に憶病で本能的な行動をとる事が多い生き物です。
例えば電線に止まっていた小鳥が、何かの音が鳴った瞬間に一斉に飛び立ったり、群れている小鳥の一羽が飛んだっ拍子に他の鳥も一斉に飛び立ったなどという光景を目にした事があるのではないでしょうか?

このような事から、いくら飼い主さんに慣れた小鳥といえども、“恐怖やパニック”、あるいは“好奇心”による本能的な行動は抑制することができず、誤って外に出ていってしまう事もあるのです。
逃げ出したくて逃げた!という子は少ないのかもしれません。

逃げ出す理由

上記のことより、飼い主さんに慣れているはずの小鳥が逃げ出す主な理由としては、以下の2通りのパターンが主体となります。
逃げ出す理由1:恐怖を感じた時
上にも述べたように、鳥が危険を感じた時は、慣れ、不慣れに関わらず、“とりあえず逃げる”という行為が先行します。この、恐怖や危険を感じた際に逃げるという行為は、鳥が生き延びるために必要な本能的行動であり、飼い主さんになついているかどうかは関係無いため、制限することができません。
幼鳥のうちに色々な音や体験をさせることで、多少の慣れ、度胸はつくようですが、基本は臆病な動物であるという事に変わり無い事を念頭におきましょう。

逃げ出す理由2:好奇心
普段は閉じられている窓や扉が開いている!
そうした環境の変化は好奇心が強い子の興味を引く事もあるようです。
人間の子供にもありますが、“自分の行動範囲を広げたい!”、“向こうの世界はどうなっているのかな?”といった好奇心で外に出てしまう事もあるようです。
また、外に出る気はなかったものの、開いている窓や扉に興味を持ち、そこに近づいた瞬間に、後から飼い主さんが慌てて大きな声をあげたために、その声に驚いて飛び出して行ってしまう事もあります。
こちらも人間にも言えますが、そ~っと覗こうとしたところに、後から「わっ!」っと声を掛けられたら驚きますよね。
もともとビビリな小鳥ですから、そんな時の驚きようは、まさに“飛び上がるほど”なのではないかと思います。
こういった時は、慌てて近づいたり、大声を上げたりせず、やさしく名前を呼んであげたり、おもちゃなどで気を向けさせてやるようにする事が大切です。

何故もどってこないの?

渡り鳥など、遠くから同じ場所に戻ってきたり、伝書鳩などのように必ず自分の巣に戻って来る鳥などがいる事から、インコなどの小鳥にも帰巣本能があると思われがちです。
しかしながらインコなどの小鳥には、帰巣本能というものが無いと言われています。
その理由としては、自然界における小鳥の立ち位置に関係しているようです。
インコなどの小鳥は自然界の中では、比較的捕食される側の、いわゆる弱者に分類されます。
このためインコなどの小鳥は、外敵に襲われる事を避けるため、あるいは外敵に襲われた際に生き延びる確率を上げるために、群れを成して生活をしていることが多いです。
このような理由から、“群れがある場所”が自分の居場所であり、群れ全体として一定の場所に長期的に留まる事が無いため、“巣”という感覚が無く、帰巣本能が備わっていないのです。

もちろん、飼い鳥として自分の生活圏内の様子などは記憶しており、自分のケージなどは把握している事はあるでしょう。しかし、自分の知らない外の世界に飛び出してしまった小鳥の周りは、初めて見るものばかりです。このため、小鳥はパニックになり、“帰りたくても帰る場所、方向が判らない”というのが正直なところなのです。

飛び出した小鳥を保護するための対策

飛び出して行ってしまったから仕方ない・・・で終われないのが飼い主というものです。出来る限りの手を尽くして保護したい気持ちがあると思います。
もし、インコなどの小鳥がアナタの目の前で外に飛び出したのであれば、その子が飛んで行った方向を覚えてください。
そして、飛んで行った方向に、歩きながら、名前を呼んであげてください。
鳥の習性として、恐怖や危険を体験した際には、まずはその場の危険を回避するという行動が先行し、その後に次の行動をとるために一端休むという行動をとる傾向があります。
このため、初期の飛び立ちでは、さほど遠くまで飛んで行っていない可能性が高く、飛んで行った方向へ向かって歩くことで、見つけ出す事ができる可能性が上がるわけです。

一方で、慌てて飛び立ったインコなどの小鳥は、立ち止まったところで自分が何処にいるのか理解していません。このため、聞き覚えのある飼い主さんの声が聞こえれば、次の行動として、そちらの方へ飛んで行けば安心だと思えるわけです。

どんなに人慣れしているインコや小鳥でも、本能的な行動を抑える事はできません。“逃げるはずがない”といった飼い主側の勝手な思い込みで、インコや小鳥を危険な目に合わせないためにも、外に行かない、迷子にさせない、気遣いを心がけてあげてください。