アナタは見抜ける?インコのウソ

うそ食べ?

バードドックのススメにも書きましたが、被捕食者であるインコは、具合の悪さを隠そうとする傾向にあります。
こうした傾向は本能的なものであることから、インコ自身は具合が悪い事をあまり気しておらず、普段通りにふるまっているに過ぎないとも言われる事もあり、意図的なものであるのか、具合の悪さに気付いていないだけなのかという点では微妙な点もあります。
しかしながら、インコの内面的な具合の悪さは、外見上気付き難いという点については、どちらも変わりありません。

通常を装う行動”をとるという点では、野生環境下には無い餌箱の中の餌に関しても“食べているふり”をして、元気を装う子がいるそうです。
これが“演技”であるとするならばその演技は徹底しており、餌を下に落として餌箱の中の餌の量を減らすという事までするというのです。

しかしこの行為も、もしかしたら意図的なものではなく、本気で餌を食べようとしているにも関わらず、上手く食べる事ができないところまで弱っており、ただ食べ散らかしてしまっていたのが、そのように見えただけかもしれません。
しかし、それでも、飼い主さんの目からしたら、インコは餌を食べていたように見えたのですから、具合の悪さというのは、インコ本体だけでなく、ケージ内の様子など、全体の変化を気にしないと気付けないのかもしれませんね。

変化に気付きやすくなるという点では、やはり普段からのスキンシップや観察が大事で、羽に艶が無いとか、少し骨ばっている気がするとか、足や爪が変、口が少し開いたままでいる、ケージ内がやけに散らかっている・・・など、ちょっとした違和感を見落とさないようにしてあげましょう。

仮病?

これは、具合の悪さを隠したがるというインコの本能的な行動と反する行動であるため、学習によるものだと思われますが、まれに、具合が悪くないのにわざと具合が悪そうにしたり、餌を食べないようにしてみたりする子もいるようです。

上の説明からすると、何でそんな事するの?
と、思いますよね。
なぜなら、そんな事をすれば捕食者からの注目を集めてしまうから!
しかしこれは一説には単に、“かまって欲しいから”という事が言われています。

以前具合が悪くなった際、“飼い主さんが心配してケージから出してずっとそばにいてくれた”といった事を覚えており、
餌を食べない=かまってくれる
と、変な学習をしてしまったのかもしれません。
人間の、
嘘泣きをする=心配してもらえる
という勘違いと同じですね。

一方で実は、“注目を集めたい”という気持ちに関して、“具合が悪そうにする”という行為は、野生環境下においても稀に見る事ができるのです。

一例として、小型の動物や草食動物が肉食動物に襲われそうになった際、親が子供を守るために、“自分はケガをしている”というそぶりを見せ、捕食者の注目を集めることがあります。

弱っている相手であれば簡単に狩る事ができ、子供よりも食べる部分が多い!
と、判断されれれば当然、捕食者の興味は弱っているように見える親の方に向きます。その隙に子供を逃がし、捕食者が近づいて来たところで、自分は全力で逃げるのです。

まさに騙し討ちですが、“相手の気を引きたい”という点では同じですよね。
インコの“うそ”が、具合が悪いのを隠すためのものなのか?本当に具合が悪いのか?といった点は、素人には判断できない事も多々あると思います。このため、インコ(インコを含めたペット)を飼い始める際には、心配事を相談できる動物病院をリサーチしておく事をお勧めします。