拡大傾向にある?マダニ感染症の危険性と予防、対策

コロナ禍による外出自粛要請の影響により、観光地や行楽地への人出は減っているものの、徐々に緊張感が緩んできている昨今、休日に山林などの密になり難い避暑地へハイキングに出かける人も増えてくるかもしれません。

そんな中、マダニを媒介とした人間への感染症(マダニ感染症)が危険だとして警鐘が鳴らされている。

マダニ感染症とは

マダニを媒介とした感染症としては、主に、
・重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
・ダニ媒介脳炎
・日本紅斑熱
・つつが虫病
・ライム病

などを挙げる事ができる。

こうした感染症の中でも特に危険度が高いと指摘されているのは、SFTSである。というのも、昨年は、SFTSの感染者(報告事例)が過去最多の102件となったからである。SFTSは、重症化すると死に至る事もある恐ろしい感染症で、ペットへの感染も確認されているそうだ。

人間の死亡例の報告は、50代以上に限られているらしいが、その致死率はなんと27%にも至るとの報告がある。

そして、猫に至っては、60%~70%に至るそうだ。

感染者の報告件数は昨年(2019年)のものであるが、人が多く居る街中を避けた外出、観光が増えると予想される今年は、場合によっては昨年以上の感染者が報告される可能性もあるのではないだろうか。

SFTSが重症化するのは50代以上という具合に報告されているが、新型コロナウィルスも、当初は高齢者が重症化しやすいと言われていた事を鑑みると、若年層であっても油断してはならないと考えられる。

SFTSへの感染の報告事例は国内では西側が主体であるが、年を追うごとに東側へ拡大してきている傾向にある。このため、今年以降、関東以北へ広がりを見せる可能性も高まってきている。

マダニ感染症を防ぐには

このような感染症にかからないためには、“ダニに咬まれない、ダニを寄せ付けない”という事が重要となる。

厚生労働省の指針によれば、山林へ足を運ぶ際にダニに咬まれないためのポイントとして、次のような事が挙げられている。

・肌の露出を少なくする
→帽子、手袋を着用し、首にタオルを巻くなど
・長袖・長ズボン・登山用スパッツ等を着用する
→シャツの裾は、ズボンの中に、ズボンの裾は靴下や長靴の中へ
・足を完全に覆う靴を履く
→サンダル等は避ける
・明るい色の服を着る
→マダニを目視で確認しやすくするため

ダニに咬まれた時の対処法

・無理に引き抜こうとせず、医療機関(皮膚科など)で処置してもらう
・マダニに咬まれた後、数週間程度は、体調の変化注意をする

→発熱等の症状が認められた場合は、医療機関で診察を受けるようにする

ちょっと変わった側面からの研究も

マダニは、ペットを介して人に遷移する事も多い事などから、犬や猫に投与されるペット用のノミ・ダニ駆除薬が、蚊や、ノミ、ダニなどを媒介とする感染症から人を守る役にも立つかもしれないという研究もなされている。そしてその結果が、米科学アカデミー紀要に掲載されているそうだ(関連記事は下記)。

実験に使われたのは、イソオキサゾリンという成分を含むペット用のノミ・ダニ駆除薬の「フルララネル(商標名:ブラベクト)」と「アフォキソラネル(商標名:ネクスガード)」であり、これを人間が服用した場合、1回の服用で50日から90日殺虫効果が持続するという。関連記事には、“人に服用してもらう実験はまだしていない”との記載がある事より、実験で人間に使用したのは経口薬ではなく、スポット添加型の薬(ブラベクト)であったものと考えられる。

過去の経験からの事前策

SFTSが大流行するという確証は無いが、コロナ禍の状況を見ると、予防に効果がると噂されるものが市場から消える早さは尋常ではなかったことは、記憶に新しいところであろう。実験に使用された薬は、あくまで殺虫薬であり、虫よけではないので、咬まれてからでは遅い気がするのですが、犬、猫、その他被毛に覆われたペットを媒介しての感染を防ぐために、転ばぬ先の杖として、手元に置いておくのも良いでしょう。
なお、ブラベクトは、一般に手に入りにくい薬ですが、ペットくすりを介した個人輸入であれば、容易に入手することもできます。

※下の画像は、それぞれ”ペットくすり”のサイトへのリンクとなっています(ペットくすりでの5%OFFクーポンコード(本サイト専用)は、「afp5」です)。

※イソオキサゾリン系の薬は、まれに、嘔吐、下痢、食欲減退などの症状が報告される事例もあります。

また、スポット添加型のノミ、ダニ除去薬として評価が高い薬として、フロントラインプラスが知られている。コチラは、人の皮膚への刺激が強いため、人間への使用は考慮しない方が良いでしょう。

卵や幼虫の発育までも阻止する、一歩進んだノミ・マダニ対策。
卵や幼虫の発育までも阻止する、一歩進んだノミ・マダニ対策。
卵や幼虫の発育までも阻止する、一歩進んだノミ・マダニ対策。
卵や幼虫の発育までも阻止する、一歩進んだノミ・マダニ対策。
卵や幼虫の発育までも阻止する、一歩進んだノミ・マダニ対策。

また、ダニ等に咬まれる前の予防法としては、ノミ、ダニに効果がある虫よけを皮膚の露出部分などにかけておくのが良いでしょう。コチラも、仮にSFTSが流行した場合には、店頭から消える事が容易に予測できるため、お守りとして1本手元に置いておくと良いかもしれません。

[効能] 蚊、ブユ(ブヨ)、ノミ、イエダニの忌避。