ペット需要の急増と懸念
産経新聞の記事によると、コロナ禍の影響による外出自粛により、ペット需要が急増しているという。そして、今後、緊急事態解除に伴う自粛緩和の流れから、“買われていった”ペット達が無責任に飼育放棄される事が懸念されているという。
この6月に施行される事になった改正動物愛護法では、犬、猫に対してマイクロチップを埋め込む事が義務化されたことより、身勝手に捨てるという事はし辛くなったものの、2月から5月の段階では、法改正後、施行前であるためにマイクロチップについては徹底されていない状態であったはず。このため、動物愛護法に関する説明も不十分なまま引き渡された子達も多いかもしれないという事も、懸念の一因と言えるだろう。
“商売”として生体を販売している限り、“売れない”という事は言えないのだろうが、販売段階において十分な説明を行っていれば、飼育を放棄してしまう飼い主というのも減るのではないかと思われる。
もちろん、“飼育放棄”というのは、販売側ではなく、購入側、つまり飼い主に大きな責任があることに違いは無い。
しかし、衝動買いしようとする“客”に対し、平均寿命がどの位で、どの程度に成長し、毎日散歩が必要で、旅行などの制限も生じる・・・つまり、“生活スタイルをペットに合わせて変える必要がある”という事位は、キッチリ説明するべきではないかと思える。
また、高齢夫婦による購入が増えているという情報もあったが、これに関しては、ペットの寿命と飼い主の寿命、そのあたりもしっかり把握してもらう必要があるだろう。たとえ飼い主が90歳まで生きるとしても、散歩や判断力、体力などを考慮すると、70代程度までが限界と考えられる。と、すると、平均で十数年生きるとされる犬や猫は、60代程度までが飼育を全うする限界であると考えられる。そのあたりの説明などもしっかりすべきであると思える。
この時期にペットになった動物達が、違う意味でのコロナの被害者(被害動物)とならない事を祈るばかりである。