埼玉こども動物自然公園で赤ちゃんコアラ3頭に命名
オーストラリアの大規模火災では、最大8000頭ものコアラが犠牲になっているとも伝えられております。
非常に痛ましい出来事ですね。
赤ちゃんコアラ3頭の名前が決まりました
一方で、日本の埼玉県こども動物自然公園では、昨年春に生まれた3頭のコアラの赤ちゃんの名前が決定しました。コアラの赤ちゃんは、メス2頭、オス1頭で、
コハル(メス):誕生確認日2019年4月 2日
ビー (オス):誕生確認日2019年5月21日
ふく (メス):誕生確認日2019年6月12日
となったそうで、2月9日に、名付け親認定式が行われたそうです。
名前の応募総数は2791票あったそうで、その中から3つが選ばれたということですね。
名前を見る限り、パンダのような同じ音を続けるといった決まり事は無いようですね。
出産から命名までの期間、長すぎない?
ところで、気になった事がありませんか?
この3頭、生まれたのは昨年の春先から初夏にかけてなんですよね。
それにも関わらず名前が確定したのがつい先日というのは、あまりにも遅すぎない?放置されていたの?とか思いません?
これは、コアラの特殊な生態によるものなのです。
コアラは、
妊娠から約1か月で出産します
・・・早っ( ゚Д゚)
ねずみの妊娠期間が20日程度と言われていますから、それと10日程度しか変わらないわけです。驚くべき速さですよね。
このような超早産での出産となるため、赤ちゃんは超未熟児です。
平均的なコアラの赤ちゃんは、
体調:約1.7cm
体重:約0.5g
程度だと言われています。
このため、生まれたばかりの赤ちゃんは、お母さんコアラの袋の中で6~7か月程度過ごし、袋から出てくるようになるのです。
ちなみに、赤ちゃんコアラがお母さんコアラの袋から出てくる事を
出袋(しゅったい)と言います。
この頃になると、体調も20cmほどになるそうです。
そして、袋から出るようになっても、しばらくの間は、袋に戻ったりするという生活を送るため、赤ちゃんコアラの性別を確認することができるようになるまでは、さらに1~2か月かかるのです。
このため、昨年春過ぎに生まれた赤ちゃんであっても、名前の募集が今年の1月半ばから開始され、先日決定するという流れになったわけです。
期間的にも、昨年6月に生まれた子の場合は約8か月ですから、ギリギリ性別が判別できたところという感じですね。
なんで赤ちゃんがそんなに小さいの?
出産から命名までの期間の長さに納得がいくと、次の疑問が出てくると思います。
そう、
“コアラのあかちゃんて、なんでそんなに小さいの?”
という疑問です。
これに関してははっきりとした事は言えないのですが、コアラの食事事情と生活スタイルによるものであると考えられます。
具体的には、コアラは“ゆうかりやアカシア、ティーツリーなど、他の動物が食べない葉や芽を食べる”超偏食種”なのです。
このため、栄養摂取率が悪く、とにかく量を食べなければ生きていけないそうなのです。
一説によると、コアラの1日の睡眠時間は約18時間から20時間で、起きている時間はたったの4時間程度なのだそう。
そして、起きている間は殆どが食事の時間で、寝ている時間は殆どが消化吸収に費やされているそうです。
木の上で生活するコアラは、食事を一定の場所で行う事はできず、移動しながら行う必要があったりと、身重(みおも)な生活を続ける事が難しく、妊娠期間を短くし、体への負担も小さいカタチで赤ちゃんを産むようになったのだと考えられています。
こうした傾向は、同じ偏食家の熊仲間(コアラは袋熊と呼ばれている)であるパンダにも見られます。パンダも笹を主食とする超偏食動物で、起きている時間の多くを食事に費やし、良く寝るという生活スタイルです。
そして何より、その赤ちゃんは、あの大きな体からは想像がつかないくらい小さいのです。
このため、消化吸収、および栄養摂取効率が悪いものを主食とし、活動時間が短い動物は、赤ちゃんを小さく産むという傾向にあるのではないでしょうか?
話が大きく反れましたが、新たに命名されたコアラの赤ちゃん、
埼玉こども動物自然公園に、観に行ってみてはいかがでしょうか?