ペットの食事について知っておこう!(犬編)

栄養バランスのとれた犬の食事と言えば“ドッグフード”ですが、一口にドッグフードと言っても、その種類はドライや半生、ウエットまでと、多岐に亘ります。各形態のドッグフードには、それぞれ利点があり、一概にどのタイプが好ましいという事は言い切れません。しかしながら、こうした多くの種類のドッグフードの中からどんなものを選ぶか?という事の1つの指標として“総合栄養食”という表記と、指定年齢(幼犬期、成犬期、老犬期など)の表記があります。

総合栄養食というのは、基本的に、そのドッグフードと水だけを与えれば、指定された年齢期における健康を維持する栄養を摂取することができるバランスのとれた食事という事です。もちろん、犬種や体格などにより、1回に与える食事の量などは異なります。ではなぜ、食事の量の調整が必要なのか?

ペットは食事を自分で決められない!

飼育されているペットは、自分で食事を選び、自分のタイミングで食べるという事ができません。このため、与えられたタイミングで与えられた量を食べる!というのが基本的な生き方となります。こうした食生活であっても、若い内、あるいは運動量が十分にある場合には健康でいられるのかもしれませんが、老齢になった場合には、内臓への負担が大きくなったり、運動不足である場合には肥満になったりと、大切な家族の寿命を縮め、健康を脅かす危険を伴うのです。

このため、栄養価や配合、ミネラルバランス、さらには量や1日の回数に至るまで、愛犬の年齢期に応じて調整してあげる事が、その犬の健康を保ち、寿命を延ばす結果につながるのです。また、一口に食事と言っても人と同じように、療法を目的としたもなどもあります。例えばミネラルバランスを調整する目的のフードでは、尿のpHをコントロールし、尿石症を予防することができます。また、腎不全や糖尿、皮膚炎、関節炎などを抑制する成分を含むフードなどもありますので、その目的にあった食事を心がけてあげると良いでしょう。

食事はこうしなければならない!
という事はない?

このように、自分で食事を選ぶ事ができないペットの健康には、飼い主さんの正しい知識が不可欠です。しかし、最初に記載したようにペットフードの種類は多岐に亘ります。このため、“総合栄養食”との記載が無いものがダメという事もありません。例えば、食が細くなってしまった老齢犬には、少しでも嗜好性の高いフードだったり、少量でも栄養価が高いフードを食べさせてあげたいと感じることでしょう。そういう時には、しっかりとその子に向き合い、かかりつけの獣医さんなどと相談し、食事を選んであげることが大切だと思います。