ペットの食事について知っておこう!(爬虫類編)
爬虫類とは、脊椎動物の一種で、簡単に言うと「爬」の字のごとく、地を這う動物の類を言います。なお「虫」の字が含まれていますが、昆虫とは異なります。一般的に知られている爬虫類としては、カメやカエル、トカゲ、蛇、ワニなどを挙げることができます。なお、一口に爬虫類と言ってもその食事分類は、カメなどの草食(雑食)系のものから、カエルやトカゲ、ワニなどのように肉食系のものまで多岐にわたります。
このため今回は、肉食系の爬虫類、特にカエルやトカゲなどの小型のものにスポットを当て、健康のための食事についてまとめたいと思います。カエルやトカゲなどの小型の肉食系爬虫類の餌と言えば、コオロギやミルワームなどの生餌が主体とされています。確かに生餌は自然界での食事に近く、嗜好性も高いと言えます。
生餌は大好き!でもそれだけじゃダメなの?
しかし通常、飼育環境下においては、自然界のように数種から数十種もの生餌を用意しておく事はできません。このため、一種類の生餌を継続的に与え続けることとなった場合には、栄養が偏ったり、栄養不足になり、食欲不振にもつながります。一般的な生餌の中で栄養バランスが良いとされているコオロギでも、爬虫類(種類にもよりますが)が健康に生きて行く上での栄養素は不足しがちになります。また、ミルワームに至っては、栄養価が脂質に偏りがちであり、主食として与え続けるのには支障があると考えられています。
ペットが健康に育つための4大栄養素としては、タンパク質、脂質、キチン質、カルシウムが挙げられます。しかし、どの生餌もそれ単体では、こうした栄養素をバランス良く摂取する事は難しいと言われており、栄養剤やカルシウムなどを添加する事が望ましいとされています。しかしやはり、このような添加剤を加えたとしても、単品目の生餌では栄養不足になりがちだという事が、一般的な見解となっているようです。
生餌は、生きているが故にデメリットも!
さらに、生餌については、餌自体の状態も、ペットの健康状態を左右します。少し考えれば当たり前の事だと気付きますが、健康で元気の良いコオロギと、悪環境下で病気になっているようなコオロギとでは、栄養価はもちろん違うでしょうし、後者はそれを食べたペット自体にも悪い影響を与えることとなります。
栄養バランスを取るには、飼い主の努力が必要!
こうした実情の中、どのようにしたら爬虫類のペットを健康的に長期に亘り飼育する事ができるのか?上記のような餌事情や、生餌自体が苦手という飼い主さんもいるという事に鑑み、現在では爬虫類にも、“総合栄養食”というものが出ています。
しかし、それなら解決!と、ならないのが爬虫類の難しいところです。元来爬虫類は、生きた餌を好んで食べる生き物なので、そうした生餌に似つかない食べ物は口にしないし、興味すら持ちません。このため、生餌以外の餌を食べさせるためには、その個体が興味を示す総合栄養食を見つけ出す事が重要となってきます。現在では、匂いや形に工夫を凝らした総合栄養食も販売されています。少々無用な出費はかかるかもしれませんが、複数種類の生餌以外の餌を試してみて、その個体に合った餌を見つけましょう。生餌以外の餌をあげる際には、ピンセットなどで餌をツマミ、目の前で動かしてあげたりする工夫も必要になったりします。個体の肌艶などに気を向け、栄養バランスの良い食事を心がけてあげましょう。