フィラリア、ノミ予防のススメ(猫編)

とっても怖いフィラリアとは

フィラリアは犬がかかりやすい病気と思われがちですが猫もかかります。
フィラリアは蚊を媒体として感染する寄生虫で、感染するとその寄生虫は、動物の心臓に巣食い、血液の流れを悪くすると共に、様々な症状を引き起こす要因となります。

猫が感染した場合における主な症状としては、呼吸困難食欲不振体重減少嘔吐失明けいれん疲れやすい突然死などが挙げられます。しかし各症状は、他の病気の諸症状にも表れるため、初期症状からフィラリアの感染を特定する事は難しい事もあるようです。

ちなみに、発症する事は少ないですがフィラリアは、人に感染する事もあります。目黒にある寄生虫博物館で実物の標本を見た事がありますが、なかなか衝撃的な姿をしていました。
一度感染すると完全な駆虫は難しく、予防が最も有効な対処法と考えられています。

猫の場合、フィラリアの幼虫が血液中に出てくることはあまり無いため、犬と違って投薬前の検査は意味をなさないケースがほとんどです。そこで、予防薬の確実な投与が重要になります。

フィラリアの推奨予防期間は地域によって異なりますが、首都圏では、5月から12月頃と言われており、正に今の時期は予防期間の真っただ中となっています。

色々な予防薬

予防薬には、経口薬としての錠剤タイプ(※猫用のチュアブルは販売中止になっています)の他、皮膚塗布タイプの物が知られています。予防薬は、月に1回程度の投与が必要とされている事より、嗜好性に関わらず簡単に投与させることのできる皮膚塗布タイプが勧められる事が多いようです。
皮膚塗布タイプ(滴下タイプ)の予防薬としては現在、“レボリューション”や“アドボケート”などが知られています。

上記のように、投与が簡単であるという大きなメリットを持つ皮膚塗布タイプの予防薬ですが、デメリットもあります。その1つとしては、経口タイプの予防薬に比べて、価格がやや高いという事があります。また、皮膚に塗布する事から、塗布後に薬を舐めないようにする必要があるという事もあります。

しかしながら、価格差に関しては、その手軽さと下記に述べる付随効果を考慮すると、気になるレベルでは無く、舐めないようにするという点に関しては、首の後ろなど、舐める事のできない場所へ塗布すれば済む事なので、実質的なデメリットは殆ど無いと言えるのではないでしょうか。

皮膚塗布タイプの予防薬におけるその他の効果

上に挙げた皮膚塗布タイプの予防薬は、フィラリア予防の他、ノミや耳ダニの駆除、予防といった付随効果がある物が多いです。

ノミは人間にも感染しますし、アレルギー症状を引き起こす場合もありますから、フィラリア予防と共に、ノミの駆除、予防も行えるのは嬉しい効果ですね。
ノミの推奨予防期間は、4月から11月頃と言われています。このため、4月から12月頃まで、予防薬の投与を継続的に行う事で、ノミや耳ダニ、フィラリア等に対する感染リスクを効果的に低下させることができると言えます。なお、近年では、暖房施設の普及から、冬でもノミやダニに感染する事が見られる場合があり、通年予防する方も増えてきているようです。

本サイトがアドバイスを頂いている谷口先生猫の診療室モモでも、ノミ、フィラリア予防を推奨しています。気になる方は、お近くの動物病院に問い合わせてみると良いでしょう。