ペット同伴出勤の是非
大手ペットフード販売会社で知られるネスレピュリナペットケアでのペット同伴による出勤が話題になっています。
元ネタは、TBSニュースの「「ペット連れOK」の会社、狙いは?」です(リンク先は元記事:映像有り)。
試験的に認めているだけ?
元ネタのニュースによると、ペットフードを取り扱う部署での取り組みで、特定の社員の飼っている犬を月に1、2回連れて来て、オフィスを自分の家のようにさせているといいます。
大勢の社員が同じようにしているのかな?とも思ったのですが、ニュースに出て来ていたのは、1人の社員の方のみでした。
同僚の社員の方々の意見として紹介された言葉は次のようなもので、肯定的な意見となっていました。
「オフィスで犬が駆け回っている様子見ると、仕事の集中力も増すような気がします」
「切り替えができますよね。メリハリがつく」
「めちゃくちゃ癒しです。朝、ドア開ける前に隙間から見えるんですよ。その瞬間テンションあがります」
ネスレピュリネは、ペットに関連する商品を扱う会社ですし、広いオフィスに1匹ペットが居たら、癒しにはなるかもしれませんね。
しかし、ペットを飼っている社員が1人だけという訳は無いでしょうから、大勢の社員がそれぞれペットを連れて来た場合にはどうなのか?
そのあたりまで深く掘り下げてもらいたいなと感じました。
そんな事からも、試験的な運用に過ぎないのかな?と、感じる内容でした。
認識的に間違ってはいないか?
上で述べたように、広いオフィスに1匹のペット(動物)が居たら、それは癒しになり、社員達のなごみに繋がるかもしれません。
しかしそれは、ペットを連れて来ているからではなく、いわゆる“コンパニオン動物”がオフィスに居るという感覚から来るものではないでしょうか?
このため、複数の社員が多くのペットを連れて来た場合には、ペットがオフィスを駆け回るといった事は当然できなくなるでしょうし、ケンカや小競り合いなどが生じる事だってあるでしょう。
上司の方?の意見として、
「(犬を)連れてきてくれるだけで、こっちもありがたいので、あんまり怒れないです・・・(怒るのは)違う日を選びますね」
といったものもあるようですが、ちょっとコレは意味がわかりませんね。
「飼い主が怒られている(いじめられている)姿を見せたくないので怒れない」
というのであれば、ペットに携わる会社だからそういった理解もあるのかな・・・と、わからなくもないのですが、
“ペットを連れてきてくれるだけでありがたいので怒れない”
というのは、
“頼み込んでペットを連れてきてもらっているんですか?”
“ペットを職場に連れて来るのと、飼い主の仕事のミスは別次元じゃないですか?”
と思ってしまいます。
ペットを会社に連れて来るのは良いが、オフィスに離し飼いはダメでは?
私的な感覚になってしまいますが、子供同伴の出勤を認めている企業であっても、それは社内に“保育施設(企業内保育所など)”を設け、子供は出社時にそこに預け、親はオフィスで仕事をするというスタイルを採っており、オフィスで子供が自由に遊んでいるといった会社は殆どないと思います。
このように、子供であっても“同伴時には別の場所”としているのですから、“留守番のペットが心配だ”といった理由で会社へペットを連れて来るのであれば、それはやはりオフィスとは別の場所にペットシッターを置いて、そこで見守っていてもらうようにすべきではないかと思うのです。
つまり、オフィスにコンパニオン動物や、魚の入った水槽を置くことと、ペットをオフィスに連れて来る事の位置付けを一緒にしてはいけないのではないか?と思うのです。