ペットにシャンプーって必要なの?

一昔前は、屋外飼育も多かった事などの事情により、犬でさえもお風呂やシャンプーといった習慣は、あまり多くなかったような気がします。

猫に関しては、室内飼育も多くなっていましたが、毛づくろいを自分でやるので、あえてシャンプーという事をしない家庭も多かったのではないでしょうか。

また、うさぎに関しては、“濡れると死んでしまう”なんて噂もあったりしたので、“シャンプーなんてとんでもない”という雰囲気すらあったような気がします。

実際のところ、お風呂やシャンプーは必要なの?

被毛に覆われている動物は、体に汗腺が無い事が多く、殆ど汗をかきません。このため、お風呂やシャンプーをしなくても、汗臭くなったりする事はありませんよね。もっとも、自分で毛づくろいするという習慣が無い犬に関しては、放っておくと獣臭がしたりしてくる事はありますが・・・

こうした側面からすると、ペットにシャンプーは必要無いと思われがちですが、被毛は日々汚れています。猫やうさぎなどに関しても、首のうしろや頭など、自分でお手入れできない、あるいはし辛い部分もあります。

また、狭いケージに入れられている時間が長いペットの場合は特に、被毛に汚れが付着しがちな場合も多いです。このため、汚れが目立つ部分や、自分で毛づくろいがしづらい部分だけでも、洗ってあげるようにした方が、被毛を清潔に保ち、皮膚病などを防ぐ事ができるようになります。

また、シャンプーなどを行う場合、普段ふわふわな被毛に覆われているペットの体型を把握する事もできます。このため、痩せすぎている、太ってきた?といった体型の変化や、普段気づかない左右のバランスの変化などに気づく事もあるでしょう。

さらに、手で体を触るため、スキンシップによる体の異常しこりや、触られるのを極端に嫌がる箇所の発見など、病気等の早期発見にもつながる場合があります。

お風呂やシャンプーの頻度は?

過度なお風呂やシャンプーは、ペット自身のニオイを消してしまう事によりストレスを与えたり、皮脂の消失による疾患を招いたりする恐れがあります。

このため、シャンプー等の頻度としては、月に1回から2回程度が良いとされています。また、体力が落ちてきている老ペットの場合には、2~3か月に1回程度でも良いと言われています。

もっとも、あまり動かなくなる事により、おしりや足、腹下などの汚れが目立つ場合には、部分的に洗ってあげるようにすると良いでしょう。

お風呂やシャンプーの後は、しっかり乾かす事が大事

お風呂やシャンプーの後、犬などは、ブルブルブルッと体を震わせて水分を飛ばしたりするので、自然乾燥でも良いかな?

と思ってしまう事もありますが、室内では走り回って乾かす事もできないため、生乾きの状態が続いてしまう場合が多くなります。 生乾きの状態が長時間に及ぶと、そこに雑菌が繁殖し、嫌なニオイや、皮膚病などの原因となってしまいます。このため、お風呂やシャンプーの後は、しっかりと乾かしてあげることが必要です。

乾かす手順は、人間と一緒

乾かす手順は、基本的に人間と一緒です。

まずはタオルで全体の水分をふき取り、耳やわきの下、股の間、お腹周りなど、水分が溜まり易い部分を入念にふき取ってあげましょう。

タオルドライが終了したら、ドライヤーを使っての乾燥です。

ドライヤーで乾かす際には、手櫛だけでなく、スリッカーブラシなどで被毛をとかしながら乾かすようにしましょう。

水分は、重力によって下側へ垂れて行くため、体の上側を最初に乾かしてあげると良いでしょう。なお、動物は顔に風が当たる事を嫌う子が多いため、顔は後で優しく乾かしてあげるようにすると良いでしょう。

体の上側を乾かしてあげた後は、水分が溜まり易い腹下や股の間、わきの下などを乾かしてあげ、その後にサイドを乾かすといった順番が良いでしょう。お腹が濡れている時間が長いと、体が冷えてしまう事もあるからです。

ドライヤーで乾かす際の注意

やけどに注意

早く乾かそうと思い、熱風を皮膚に当てるような乾かし方をすると、やけどしてしまう場合もありますし、ペットが恐怖を感じるようになってしまいます。熱風が直にあたらないように、ドライヤーとペットとの間には、少なくとも20cm程度の隙間をあけるようにしましょう。

ブラッシングする部位に風を当てる

ブラッシングしながら乾かす際には、ブラシを当てている箇所と風が当たる箇所が重なるようにしましょう。毛の間に風が入るようになり、綺麗に早く乾かすことができます。

いそいで全体を乾かす必要はない

早く乾かしてあげようと思い、なんとなく乾いたかな?という感じで全体をザックリ乾かしてしまうと、せっかくドライヤーで乾かしてあげているのに生乾きの部分が出てきてしまいがちです。部分ごとにしっかりと乾かしてあげた後、全体を冷風でクールダウンしながら乾かすといった手法をとると良いでしょう。

ドライヤー乾燥に便利なグッズ

ペットの乾燥は、素早くかつ手際よくやりたいですよね。そして、ブラッシングしながらの乾燥となると、両手が使えた方が断然便利!そうした実状に対しては、以下のグッズを活用することが便利です。それぞれ、メリット、デメリットをまとめたので、参考にしていただけると幸いです。

ハンズフリードライヤーDUZ

自由度の高いフレキシブルホースを用いて両手を思いのまま使用することができます。

メリット
・スタンドによる自立と、壁掛けといった2種類の設置方法を選択することができます
・風を当てたい場所、角度に合わせてフレキシブルホースを調整できます
・静音大風量で、音を怖がるペットにも優しい設計です
・温度や風量の調節が可能です

デメリット
・価格が高い。機能性や性能面で優れている一方、価格設定が高めです。2020年6月現在では、実勢価格で16,000円前後となっています。

ペット用ドライヤー Petion

マイナスイオンで艶やかな被毛を保ち、ブラッシングしながらの乾燥も可能です

メリット
・DUZに比べて安価。2020年6月現在の実勢価格では、6,900円程度と、DUZの半値以下です。
・吹き出し口が広く、静かな設計です。強風を嫌がる子にも安心ですね。
・マイナスイオン効果で綺麗な毛艶を保ちます。
・高温、低温、涼風の三段階の温度調節が可能です。

デメリット
・風が弱い。静音で強風を嫌がる子には良い面ですが、乾かすのに時間がかかることがあります。このため、タオルドライをしっかりする必要があります。

ヘアードライヤースタンド

両手を使えるため、動き回るペットを乾燥させる時にも便利です。

メリット
・価格が安く、一般的なヘアドライヤーを使いつつ、両手での乾燥を行う事ができる。2020年6月現在の実勢価格では、2,300円前後となっています。
・高さ調節の自由度が高いため、体高の高さや、台の高さにドライヤーを合わせる事が容易です。
・飼い主のヘアドライやセットにも活用できます。

デメリット
・スタンドの他に、ドライヤーを容易する必要があります。