ペットにも使用できる安全安心な除菌消臭剤とは?

最近、新型コロナウィルスCOVID-10の影響もあり、マスクと共に消毒液の需要が高まっていますね。

消毒、消臭といえば、昔から次亜塩素酸ナトリウムを使ったものが知られており、ペットの消臭剤などにも用いられています。以前紹介した「ペレッティー」も、その成分を見ると次亜塩素酸ナトリウム0.010%、水99.990%と表示されています。

濃度表記で良く使われるppmを用いると、次亜塩素酸ナトリウムの濃度は100ppmという事になります。

次亜塩素酸ナトリウム水溶液はPH8~9程度の弱アルカリ性で、100ppm以上の濃度で殺菌効果が期待できると言われています。

近年では次亜塩素酸水の効果や安全性を誇張するために、次亜塩素酸ナトリウム水溶液はアルカリ性で危険だという事を聞く事もありますが、PHでいうと、6-8の範囲では概ね中性(水道水の基準PH)とされている事より、100ppm程度の次亜塩素酸ナトリウムであれば、人体や動物に対する影響は殆ど無いと言って良いと思われます。

改めてペレッティーを見てみると、濃度は100ppmであることより、殺菌効果はやや期待できるといったところでしょうか?しかしながら、製品として有効性を主張しており、実際の評価も高いことから、単に次亜塩素酸ナトリウム溶液を希釈したものとは違う“何か”があるのかもしれません。

次亜塩素酸水というもの

昨今、食品添加物で安全性が高い!肌に触れても飲んでしまっても大丈夫!などというフレーズの下、次亜塩素酸水が注目を集めています。ちなみに、上に挙げた次亜塩素酸ナトリウムも、厚生労働省に求められた食品添加物なんですけど、何故か、弱酸性(次亜塩素酸水)は良くて、弱アルカリ性(次亜塩素酸ナトリウム)はOKという風潮になっています。

もちろん、腐食性などの影響の違いはあるかと思いますが、個人的には声大に主張するほどの違いか?という印象です。

しかしながら確かに、次亜塩素酸水は、優れた除菌性、消臭性を持つとされていますし、実際に効果はあります(自分で作って確かめてみました)。ペット関連の消臭はもちろん、ウィルス関連の除菌、滅菌にも使えます。

そんな事から今、次亜塩素酸水が注目を集め、次亜塩素酸水を作るお手軽電気分解装置は大人気で、売り切れが続出していたりします。いくつか紹介すると、フラックスの「ジアポケット(※Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピング売り切れ)」や、「電解次亜水メーカー ハイパージア S-905(楽天市場、Yahoo!ショッピング、取り扱い無し)」などがありますが、いずれも「売り切れ」となっていたりします。

水と塩だけでできる! 家庭で作る除菌水

こうしたものが「売り切れ」となっていると、おのずと次亜塩素水そのものを購入しよう!と考える人がいますが、これはお勧めしません。次亜塩素(HClO)自体は、非常に不安定で、長期保存できず、塩素成分が分離して抜け出し、普通の水になってしまうからです。

しかも、今、次亜塩素酸水は高騰しているのかもしれませんが、200ppm程度の濃度のものが20Lで5,000円程度、1000ppmの濃度になると、20Lで15,000円程のものがあったりします(Amazon調べ)。

これだけの価格のものを買っても、1か月~2か月もしたら、殆ど普通の水になってしまうんです!

ではなぜそんな物が売られているのか?という点が不思議に感じるかもしれませんね。
殆どは、業務用で、ある程度の期間で(鮮度が高い間に)使い切るという事が前提だからです。
一般家庭で20Lも購入したら、半分以上は、使う前にただの水になってしまうでしょう。

次亜塩素酸水を自作してみる

次亜塩素酸水が保存できないのであれば、自分で作ってしまえば良いんじゃない?

と考え、自作してみました。

自作といっても原理は簡単です。

塩化ナトリウム水溶液NaCl(aq)を電気分解しただけです。

塩化ナトリウムは、水に溶かすと、ナトリウムイオンNa+と、塩化物イオンCl-として存在することになります。このような状態の塩化ナトリウム水溶液を電気分解すると、陽極(+極)側では

2Cl-→Cl2+2e+

という反応が生じ、塩素が発生します。一方、陰極(-極)側では、

2H2O+2e-→H2+2OH-

という反応が生じ、水素が発生します。

ここで、Na+が反応しないのは、Na+が安定している(イオン化傾向が強い)ためです。

そして、反応により発生した塩素(Cl2)は、OH-と反応して、

Cl2+2OH-→ClO-+H2O

となります。ここで発生した一酸化塩素イオン(ClO-)が、水素イオン(H+)と結合し、

次亜塩素酸塩(HClO)となり、コレが溶けた水が、次亜塩素酸水となります。

次亜塩素酸水を作るために必要なもの

電気分解のために必要な物は、

シャーペンの芯2本

導線

適当な容器

電池(単三電池3本程度)

塩水(水に食塩を溶かせば良い)

セットは、導線にシャーペンの芯を取り付け、電池に接続するだけ。
芯の取り付けは、強度を考えなければ、セロテープで止めるだけで十分です。

たったコレだけです。ちなみに、最初は単三電池2本(3V)で試したのですが、電気分解が起こらず、3本(4.5V)にしたら、陰極から水素が発生し始めました。

陰極側:左上のシャーペンの芯から細かい泡(水素)が発生しています。
陽極側:シャーペンの芯から塩素が発生しています。

この状態で3分程度(容量などにもよりますが)待てば次亜塩素酸水の出来上がりです。

あとは、出来上がった次亜塩素酸水を適当な噴霧器に移して、ニオイや雑菌が気になるところへ噴霧してやればOKです。

ちなみに、上で紹介した「ジアポケット」や「電解次亜水メーカー ハイパージア S-905」も、これと同じ方法で次亜塩素酸水を生成しています。

実験で使用した材料は手元にあったものばかりなので、0円です。ほとんどのものは、ご家庭にあるのではないでしょうか?乾電池を購入したとしても100円ですね。

こうしてみると、放置しておくと単なる水になってしまう次亜塩素酸水をわざわざ高いお金だして購入するのがバカバカしくなってきますよね?

もっとお手軽な次亜塩素酸水の作り方

しかし、わざわざ自分で電気分解する手間は面倒だし、うまくできるか心配という方も居るでしょう。そんな方には、次亜塩素酸水生成パウダーをおススメします。

水に溶かし次亜塩素酸水ができる。
1000ppmの次亜塩素酸水を約70L生成することができます。

これらの製品は、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム塩を水に溶いて、次亜塩素酸を生成するというもので、使用濃度に従って希釈すれば、新鮮な次亜塩素酸水をいつでも用意する事ができるというものです。

ジアパウダーαは、濃度200ppmで約432L分

次亜塩素酸水生成パウダーは、濃度200ppmで約350L分

の次亜塩素酸水が生成できる計算になります。

1週間に1度、2L程度生成するサイクルとすれば、かなりの長期間使用できるのではないでしょうか?

両者共に、1Lあたりの価格は10円前後と、かなりコスパが良いです!

ペットのそそうやトイレの消臭ウィルス関連の除菌、滅菌に、安心安全な次亜塩素水をお手軽に、使用してみてはいかがでしょうか?

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