ウサギは他の動物と一緒に飼える?

(ウサギは、ぬいぐるみ)

ウサギに限らず、ペットを複数飼育している、あるいは複数飼育したいと考える場合には、それぞれの動物間の“相性”というのが気になるところですよね。ウサギは、自然界では被捕食動物(食べられる側の動物)であることや、意外と縄張り意識が強い事などの理由から、基本的には単頭飼育が良いと言われています。

ウサギと犬、猫

上にも述べたように、ウサギは被捕食動物であることから、犬や猫にとってウサギは、本来、狩りの対象となっています。もちろん、個々の相性や性格などもありますので、ウサギと犬、猫が仲良くしている様子を見る事もありますが、ウサギは本能的に恐怖を感じている、すなわち、少なからずストレスを感じているのではないかと思われます。
そして、いくら中が良いと言っても、何等かの拍子に爪や牙を立てられた場合には、ウサギは大きな怪我を負う事になるでしょう。不幸な事故を防ぐためにも、ウサギと犬、猫を共通のスペースで飼育する事は、避けた方が良いでしょう。イタチ科のフェレットなどの場合にも同様な事が言えます。フェレットは、穴ウサギの狩りなどにも使われるので、正に、狩りの対象となってしまいます。

ちなみに、昔実家で飼育していたウサギ(庭のサークル内で飼育)は、大変気が強くワガママな性格だったため、たびたびサークルから脱出して、近所の野良猫を追いかけ回していました。きっと野良猫達が優しい性格だったんでしょうね。

ウサギとモルモット

ウサギも以前は齧歯(げっし)目と考えられていた(今はウサギ目)し、モルモットは小型のウサギのようなシルエットだったりします。そして何より、どちらも相手に危害を加えるような攻撃性が無い事から、ウサギとモルモットは仲良く暮らす事はできます。
しかし、ウサギはモルモットに対して強い病原性を有する病気(気管支肺血症菌)を媒介します。この病気は、ウサギには症状が出ることが無いため気付き難く、知らぬ間にモルモットに感染してしまうという事もあります。このため、一緒に飼う事は避けた方が良いでしょう。

以前宿泊した福島県の某ホテルには、動物のふれあいコーナーがあり、そこでは、ウサギとモルモットを近くで飼育、ふれあいさせるようにしていた事を思い出しました。比較的動物飼育に長けているであろう場所でもそういった実状があることから、病原菌という知識は、あまり浸透していない事も多いのかもしれません。“相性”だけでは測れない関係もあるので、気をつけていただきたいと思います。

ウサギと鳥

大型のインコの鳴き声を聞いた事があるでしょうか?
森の中でも良く響くような高音の大きな鳴き声です。そのような大きな鳴き声を発する鳥を飼っている場合、ウサギはビックリしてストレスを抱えることとなりますので、避けた方が良いでしょう。

また、鳥は全般的に昼間に活発に活動するのに対し、ウサギは夜にかけて(薄暮性)活動が活発になります。お互いにゆっくりしたい時間帯に相手に活発に動かれたのでは、落ち着く時間がなくなってしまい、健康を損ねる可能性もあるでしょう。

ウサギ同士

例えウサギ同士でも、飼育下で複数のウサギを飼う時には十分な注意が必要です。上でも触れたように、ウサギは意外と縄張り意識が強い生き物です。個々の性格などにもよりますが、一般的には以下のような傾向があると言われています。

・オス同士を一緒に飼う
→ある程度自我が芽生えていると、大ゲンカになるので、避けた方が良いでしょう。
メス同士を一緒に飼う
→相性が良ければ一緒に飼える場合もあります。一方で、相性が悪ければ、やはり喧嘩になります。
オスとメスを一緒に飼う
→相性が良い場合には、どんどん増えてしまいます。相性が悪い場合には、喧嘩になります。

これらの傾向から、繁殖目的などでない限り、ウサギ同士と言えども一緒に飼育できるのは、メス同士のみという事になりますね。

ウサギと子供

上でも述べた触れあいコーナーでもおなじみのウサギですが、子供のペットとすることは、ウサギ側からすると、多くのストレスを抱える原因になりかねます。
子供からすると、“かわいく”、“おとなしく”、“かみつかない”ので、かまうのにこれ以上無い存在かもしれませんが、うさぎからしたら、かまわれ過ぎたり、粗雑に扱われたりする事もあり、怪我やストレスの原因になってしまう事も少なくありません。

子供のペットとしてウサギを飼育する場合には、保護者がウサギに対する知識をしっかりと身につけ、子供にウサギとの接し方や、飼育の仕方などを指導できるようにしておく事が重要です。「子供が面倒を見るから!」と言っていても、保護者がその飼育方法の良し悪しを判断できなければ、ウサギも子供も悲しい思いをする事になってしまいます。

まとめ

以上の観点から、ウサギは、基本的に単頭飼育とし、子供と世話をする場合には、保護者がしっかりとした知識を身につけておく必要がある。
こうした事を念頭において、ウサギさんと楽しい日々を送っていただければと思います。

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